キャンプ初心者のテントの選び方

キャンプ

キャンプの必須アイテム「テント」。

「テント」と言ってもたくさんの種類があり、初めてテントを購入する際、どんなテントを買えば良いのか分からないという人もいると思います。
かく言う私もその一人です。

自分に合ったテントをどうやって選べば良いのか?

この記事では、テント選びの最低限の知識を記載しています。

登山用(山岳用)とオートキャンプ用の違い

キャンプ用品は、大まかには「登山用」と「オートキャンプ用」に大別されます。
それぞれには下記の違いがあります。

登山用テント(山岳テント)は、軽量・コンパクト重視

登山用テント(山岳テントとも呼ばれます。)は、持てる荷物の量が限られる登山に適する為、軽量・コンパクトが重視されている点が大きな特徴です。

1人用~複数人用と様々なサイズがありますが、一人当たりの面積は最小に抑えられた設計となっています。軽量化を重視された一人用のテントの中には、1kg以下の超軽量なテントもあります。

また、山の上の厳しい環境に耐える為、風雨に強く、設営が容易であることも特徴と言えるでしょう。強風に耐える為、高さも低く抑えられた形になっています。

オートキャンプ用テントは、大きくて広い

出典:Coleman Online Shop
https://ec.coleman.co.jp/item/IS00060N07912.html

オートキャンプ用テントは、車を利用しての搬入を前提としている為、重さは気にせず、室内が広く、天井も高く設計されていることが特徴です。

1ルームのテントだけでなく、テントの中で寝室と前室が別れている2ルーム型や3ルーム型といった間取りがとれる広いテントが多く、重さについては、テント毎に異なりますが、1ルーム型(3~4人用)で10kg程度、2ルーム以上(4~5人用)になると20kg以上の重さになります。

また、一般的なドーム型テントだけでなく、丸いトンネル型テントや三角錐のポール型テントなど、形状のバリエーションも豊富です。

自立式と非自立式

テントには、自立式テントと非自立式テントの2種類の形式があります。
それぞれの特徴は下記の通りです。

自立式テント

出典:mont-bell Online Shop
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122649

登山テントでは、ほとんどの利用者が使用しているのが自立式のテントです。

テントの骨組みとなるポールの力のみでテントが自立する為、自立式テントと呼びます。
非自立式と比べ、設営が容易であり、ポールで自立するのでどんな場所でも設営できることが大きな利点です。

非自立式テント

出典:テント専門店 YM-camping
https://yh-camping.com/?mode=cate&cbid=1032125&csid=0

登山用テントの中でも、より軽量化に特化したのが非自立式テントです。

ポールだけでは自立せず、ロープで引っ張ることでテントが立つ仕組みになっています。
トレッキンングポールを利用したものもあり、1kg以下の超軽量のテントもあります。

ロープを固定する為にペグを地面に刺したり、大きな石や木に括りつける必要がある為、設営可能な場所に制限が発生します。(例えば、アスファルト舗装の上には張れません。)
上級者向けのテントとされています。

テントの形とその特徴

ダブルウォールとシングルウォール

テントの外装について、ほとんどのテントがダブルウォールになっていますが、登山用テントの中には軽量化を重視したシングルウォールのテントもあります。

ダブルウォールのテント

出典:mont-bell Online Shop
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122491

ダブルウォール構造とは、外装が二重になっている構造のテントです。
写真はmont-bellのクロノスドームⅡ型です。
上の白いテントがインナーテントで、下の青い色をしたものがフライシートです。
インナーテントにフライシートを被せた二重構造になっています。

ほとんどの場合、インナーテントは通気性の良いメッシュ生地でできています。
このままでも利用可能ですが、スケスケです。防水性も無いので雨が降ってきたらずぶ濡れになってしまいます。ここに防水性の高いフライシートを被せることで雨・風・日差しに耐えるテントとなるのです。

メリットとしては、結露がしにくい点です。
フライシートの上部にベンチレーションが設けてあり、ここを開閉することで換気が出来る仕組みとなっている為、テント内の結露を防止することが出来ます。気温の低い山岳キャンプでは、テント内はかなり結露するので、寝袋が濡れてしまう恐れがあります。結露がひどいとかなり不快な状況になります。

また、フライシートとインナーテントとの間に前室が設けられる点も大きな利点です。
靴やトレッキングポールなど、泥のついたものを外に置いておいたり、雨天時や強風時にはこの前室部分でバーナーを利用したりと、前室があると何かと便利です。

ディメリットとしては、テントを二重にしている分重くなるということです。

シングルウォールのテント


出典:mont-bell Online Shop
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122659

シングルウォールのテントは、外装が一枚のみの構造のテントです。
写真は、mont-bellのマイティドームⅡ型です。
外装は一枚のみで、インナーテントはありません。

メリットとしては、とにかく軽量化に特化している点です。
ダブルウォールのクロノスドームⅡ型の重量が、フライシートを含め 2.43kg あるのに対し、シングルウォールのマイティドームⅡ型では 1.24kg しかなく、約1/2の重量となります。
また、構成部材が少ないので設営・撤去の手間が短縮され、よりコンパクトに収納できる点も大きな利点です。

ディメリットとしては結露しやすい点です。
ダブルウォール構造の場合には、インナーテントとフライシートとの隙間に風を通すことが出来るのですが、シングルウォールの場合は風を通すことが出来ないので、結露しやすくなってしまいます。

このマイティドームの場合は、この欠点に対し、防水透湿性に優れた特殊な生地が採用されており、上部のベンチレーションから換気することが出来る設計となっています。
この特殊な生地が採用されている為に価格が高額になってしまうのもシングルウォールテントの欠点と言えます。

入口の向きと寝る方向

ほとんどのテントの平面は長方形となっています。
この平面に対し、入り口が短手面にあるのか、長手面にあるのかで使い勝手が多少異なる点もテント選びの際に知っておきたいところです。

長手面に出入り口がある場合

出典:mont-bell Online Shop
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122491

上の画像は、先ほど紹介したmont-belllのクロノスドームⅡ型の立面と平面です。
クロノスドームの場合は、長手面 (230cm)側に出入り口があります。

長手面側に出入り口があるメリットは、テント内からの景色が大きく見える点です。
ただ寝るだけの目的に限らず、森の中のピクニックや、砂浜の海岸など、景色を楽しむ目的でテントを利用することが出来ます。
また、前室が広めにとれる点も利点と言えるでしょう。

ディメリットは、入り口と反対側(奥側)で寝ている人は出入りがしにくい点です。
夜中にテントの外に出るときに入り口側で寝ている人を起こさなければなりません。

短手面に出入り口がある場合

出典:mont-bell Online Shop
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122287

上の画像は、mont-bellのムーンライトテントⅡ型の立面と平面です。
ムーンライトテントの場合は、短手面 (150cm)側に出入り口があります。

短手面に出入り口があるメリットは、出入りがしやすい点です。
どちらの側で寝ている人も相手を起こさずに出入することが出来ます。

ディメリットとしては、テント内から景色が広く見えない点と前室が小さくなってしまう点です。

ドーム型テント(1ルーム)

出典:LOGOS neos ベーシックドーム・PLR WXL
http://www.logos.ne.jp/products/info/2862

ドーム型テントはポールで自立する構造になっており、設営が容易なのが特徴です。自立する構造の為、どこにでも設営することが可能です。
オートキャンプ用のドーム型テントは、天井が高く設計されており、前室部分の生地をキャノピーポールで張ることで庇として利用が可能です。
1ルームであれば、構成部材が少ない為、設営が容易で収納時もコンパクトですが、前室が短い為、雨が入りやすい特徴があります。

ドーム型テント(2ルーム)

出典:LOGOS neos ALストリームドゥーブル・PLR XL-AI
http://www.logos.ne.jp/products/info/3883

写真のテントはLOGOSのドーム型テントの2ルームタイプのテントです。
1ルームのドーム型テントを2つ連結したような形をしています。
前室部分のドームから2方向に展開可能で、一方をキャノピーポールで張ることで庇としての利用が可能です。
1ルーム型に比べ、前室がある分雨天時も屋根のあるスペースを広く確保することが出来ます。

トンネル型テント

出典:LOGOS グランベーシック トンネルドーム XL-AG
http://www.logos.ne.jp/products/info/3314

トンネル型のテントは、非自立型のテントです。テントの両端をロープで引っ張ることによって自立させます。
ドーム型に比べ、ポールの部材数が少なくなる点が特徴です。
また、ドーム型がなだらかな曲線の形状をしているのに比べ、トンネル型のテントの多くが壁面が立ち上がった形状になっている為、テントの端の方まで天井が高く、デッドスペースを少なく利用できるのが特徴です。

ティピー

出典:LOGOS ナバホ Tepee 400
http://www.logos.ne.jp/products/info/2045

写真のテントは、LOGOSのティピーテントです。ティピーテント、ワンポールテント、モノポールテント、インディアンテントと様々な呼称があります。
中央を1本のポールで支える円錐型の形が大きな特徴です。
ドーム型やトンネル型に比べ、中央部分の天井が高く、端の方が低くなります。また、前室が設けられない形が多く、雨が入りやすい特徴があります。

登山キャンプとオートキャンプで併用可能なテント

出典:mont-bell Online Shop(ムーンライトテントⅢ型)https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122288

出典:mont-bell Online Shop(アストロドーム)https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122515

テントを購入する際に、登山もオートキャンプも両方楽しみたい!という人たちにとっては登山用とオートキャンプ用のどちらのテントを購入するかは非常に悩ましい問題です。

コンパクトさを重視している登山用テントと居住性を重視して大きく作られているオートキャンプ用のテントは基本的に併用が不可能です。敢えて言うなら登山用テントはオートキャンプでも利用は可能ですが、オートキャンプならではの余裕のあるのびのびとした過ごし方が楽しめません。

私の知る中で一つだけ併用可能なように設計されているテントがあるのでここに記載したいと思います。それが、mont-bellのムーンライトテントⅢ型とアストロドームです。

この製品、上の写真のようにムーンライトテントと自立式タープのアストロドームを連結させることが出来るんです。登山の時にはムーンライトテントのみを利用し、オートキャンプではアストロドームと連結させて、広々とオートキャンプが楽しめる併用可能な設計とされています。

テントの選び方

上記のようにテント選びの最初の大きな選択肢は、その利用目的です。
大まかには、
  登山用か?
  オートキャンプ用か?
の2択です。
(細かい話をすると、自転車やバイクのツーリングなど、その他の目的もあります。)

その上で、登山用であれば、
  景色を楽しみたいのか?
  出入りがし易い方が良いか?
  軽さ重視か?

オートキャンプ用であれば、
  ドーム型か?
  トンネル型か?
  ティピーか?

という選択肢があります。
その中で、使用人数に合ったサイズのテントを選択しましょう。

キャンプ
スポンサーリンク
てるぞう日記

コメント

タイトルとURLをコピーしました